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前職の話。。。其の七

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今日はなんだかブルーなのです。何しろ、一年間楽しみにしてきた健康診断に二日酔いで行ってしまったので。。。ふぅ、お酒に呑まれるよなぁ。ぼくは。。。

なんて感じで書くので暗い感じ。実際、今日の話は明るい話ではないのです。

うちの店の常連さんには色んな人がいましたが、怖い人もいました。いっつも二人で仲良くパチンコを打っているんですが、一人はいつも茶色のサングラス。パンチパーマ。ガタイがよくて多分身長は180cm以上。体重も0.1トンはあったと思うな。

でも、この人は弟分、兄貴分の人は170cm弱だけど、小太りでやっぱりパンチパーマ。目がとっても鋭い感じ。明らかにそちらの世界の方々でした。いつも普通に打っているだけなんだけど、やっぱり怖いじゃん。だからこの二人と話をするのはうちも兄貴だけです。

ぼくらはいつも遠巻きに見てました。兄貴がいない時にお二人がランプを点けるとそりゃもうびくびくものです。あ、ちなみにうちの兄貴は前にも書いたかもしれないけど、ひょろってして銀ぶち眼鏡で、髪はさらさらの一件爽やかな感じ。でも、麻雀は無類に強くて代打ちとかでジャン荘に呼ばれる人でした。

この兄貴だけはこのお二人とにこやかに会話をしていました。確率変動を引いたときなんか機嫌よさそうなお二人と、ドル箱で肩をとんとんと叩いている兄貴が談笑している姿を見て、今日は平和だな~とか思っていました。

そんなある日、今日は兄貴は休みです。

ぼくは一階ホールの責任者。それで働いているとランプ点灯。う~むと思いつつ、行ってみるとやっぱりお二人のところ。

「どうかしましたか?」

「でんのじゃい!」

「え?」

「もうよ~、10万突っ込んでんでのになんも出ないんじゃ!」

「そうすかぁ(そんなんいちゃもんじゃんか)。。。」

「なんかイカサマしてんじゃないのか!」

「それはないですよ~」

もし、イカサマするなら絶対お二人じゃない人のところでやりますって。。。

「じゃあなんで出ないんじゃ!」

「いや、わからないですけど(ついてないからだと思いますよ)。。。」

「店長呼んでこいや」

「(え~)。。。」

「なんだ、呼んでこいって言っとんじゃ!」

なんかいやだったんですよね。店長呼ぶの。だって、どうせ因縁つけられるだけだし。ぼくより若い店長が、なだめられたらいいけど、揉めたらいやだしな。。。逆に他の店員の前でへいこらしてるのみられたくないだろうしな。。。

それで。。。

「ん~、じゃあ内緒ですよ~」

「あぁ?」

台の鍵を開けて、命釘(チェッカーに入るところの釘ね)をグイって広げちゃいました。

「これでちょっとは回るようになると思いますけど~(それで出るかは別だけどさ)。」

「お、ホントか、気がきくな!兄ちゃん!」

「絶対秘密ですからね~」

「わかったわかった」

とにこやかになって解放されました。

羽ものとかじゃなければ、パチンコ台は「設定」と「釘」で決まるんですよね。チェッカーにたくさん入れば入る程、「当たり」を引く確率は高くなるし、ほとんどの台はチェッカーをくぐるとちょっとだけ払い戻しがあるので、少ないお金で遊べるんです。

これは「釘」の並びで変わります。

そして、確率は台ごとに設定できるようになっていて、設定が甘い台程「当たり」を引く確率が上がるんです。なので、設定が甘くて、釘が甘い台を選ぶのが基本になるんですが、設定は店側が定期的にとか、急にとか変えるんですが、外見じゃわかりません。毎日通って確率を研究したりしている人もいますけどね。

で、釘は見た目でわかります。特に命釘っていうチェッカーのところの釘が開いているか閉じているかくらいなら、ちょっとみればわかるようになります。そして、ここが一番重要なんですね。

それを広げてやれば、よくチェッカーに入るようになる=回るようになるので、釘は店長とかしか基本いじれません。釘師っていう職業があるくらいですから。

だから、それをいじっちゃダメなんですよね。店の商売にかかわるから。

でも、店長呼ぶのいやだったし、常連さんだし、10万も儲けてるならもういいじゃんって思ってやっちゃいました。時効ですね。

それからしばらくして見まわると単発のあたりを引いてました。

「おぉ、兄ちゃん、当たりひいたで!」

「よかったですね~」

「単発だから全然取り戻せないけどな」

「まぁ、すかで替えるよりいいわ」

そういって、単発を交換して帰って行きました。

それから、ケッコウ話ができるようになりました。でも。。。

「兄ちゃん、また釘開けてくれ!」

「無理ですって。。。」

「なんでや、前はやってくれたのに!」

「だって、怖かったんですもん」

「じゃあ、すごんだら開けてくれるか?」

「今更~」

いっつも釘開けてくれって言われるようになって、それをうまくいなすのが大変だったけど。。。てか、大きい声で言わないでよ。首になっちゃうじゃん。

それからしばらくして、兄貴分の人が来なくなりました。いつも弟分の人だけ。なんだかぶす~として打っています。なんだか声がかけずらい雰囲気なんですよね。でも、あんまりこないんで

「最近、いらっしゃらないですね」

ってドル箱替えるついでに声をかけたんです。

「あぁ」

「具合でも悪いんですか?」

「死んだんじゃ」

「え」

「イロイロあってな。。。死んじまったんじゃ」

「そ、そうなんですか。。。」

それ以上話はできませんでした。ドル箱を替えて立ち去ったけど、なんだか寂しそうな背中だった。そんな気がしたけど。

何があったかわからないし、当時はニュースもなんにもみてなかったからわからないけれど。

この時くらいから、ぼくは転職を考えるようになりました。自分がなんだかわからないけれど、何と何ってうまくいえないけれど境界線(ボーダー)にいるって感じるようになって。そして、それをまたいじゃいけないような気がして。

何より、あまりに一期一会なことが多かったからかもしれません。

こんなに簡単に縁が切れていいもんだろうかって、思っていたのかもしれません。

8 thoughts on “前職の話。。。其の七

  1. SECRET: 0
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    釘いじるなんてっ!!
    てつさん勇気ありますね(°□°;)
    人との出会いに鈍感にならないで
    大切にしていきたいですなぁ( ̄人 ̄)

  2. SECRET: 0
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    >ねこ担当さん
    もう時効ですよね~。ちょっとドキドキ。
    ずっと振り返って、思い出して書いてますが、
    色んなこと勉強になっているんだなぁって。

  3. SECRET: 0
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    途中まではいつも通り読んでいたけど、
    最後のほうはしんみり・・・
    なんかわかるような気がします。。。
    でもそれが転職のきっかけになるてつさんって・・・
    やっぱり深いですね。

  4. SECRET: 0
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    >Pocoさん
    なんだか自分を重ねてみちゃったのかもしれません。そんな縁ってなんなんだろって。
    未だにうまく整理できていないですけど、ショックだったんです。。。

  5. SECRET: 0
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    その時、話が出来て良かったのではないかな?
    もう会えない人。
    住む世界が違うって言い方をよくするけど、住む世界は一緒なんだよね。
    生き方が、それぞれなだけ、良くも悪くも出会いは奇跡だよ。
    てつさんに、何かを考える機会をもらった訳だし、良かったのでは?

  6. SECRET: 0
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    >あすみさん
    生き方が違う人とどこかの、何かの縁ですれ違うってホントに奇跡なんでしょうね。
    それがぼくに影響あったことを感謝すればよいのかなぁ。

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