仕事が終わってそそくさと帰宅。奥さんはなんだか長引きそうなので、そのまま放置。家に帰るとだ~れもいない(3匹いるけど。。。)。そう、今日もまた独身貴族!
独身貴族といえば貧乏ネタ(なんでまっすぐ帰るんだろ、まぁ明日は呑み確定だし、朝ゆっくりマラソンしたいからね)!
一番ひもじかったのは。。。と思い出していたらありました。2週間50円生活。
学生時代の冬でした。当然なが~い冬休み中(まぁどっちにしても学校行っていなかったけど)。手元にあるのはキレイに光り輝く50円玉。
「う~む、困った。。。」
なぜかその年はみ~んな仲間が帰省してしまって街に知り合いが全くいない。一番早くても帰ってくるのは2週間後。。。これはひょっとして生命の危機ではないのかな?2週間な~んにも食べないで人間という物は生きていけるものなんだろうか?
あったかければいけるかな?でも今は冬。。。ぼくの下宿は壁に穴が。。。外気温と変わらないよ。。。暖房器具といえばオーブントースターとドライヤーだけ。
う~ん、死ぬか?ぎりぎり死ぬか?
そんな危機感を抱きながら時間は過ぎて行きます。3日目。。。
腹減った。。。動けんよもう。これ絶対2週間無理!誰かに連絡を。。。しかし、電話なんていう文明の利器はぼくの下宿にはありません。水に醤油溶いて飲んだらおなかふくれないかな。。。
「うげっ!」
ものすごくまずい。。。腹減っててもわかるぞ、この味覚。。。う~むどうしよう。
布団にくるまってなるべくカロリーを使わないように、動かずに悩むぼく。
あ~なんで学校やってないんだぁ。せめて学食がやっていれば必殺「おれに募金」が使えるのに。。。学食の灰皿は大きな缶詰の空き缶。ノートを破って、そこに「恵まれないおれに愛の手を」と書いておいておくと、意外とお金が入っているのです。
あ~、こんなことなら働けばよかった。。。でも働きたくない。。。そんな気分じゃなかったんだよなぁ(気分で餓死しそうになるとは。。。)。
其の時です!
「あ!」
追いつめられたぼくの脳は素晴らしいアイデアを思いつきました。
「おれ募金をその辺でやればいいんだ!」
いやいや、それって既にものすごく昔からポピュラーですから。おもらいさんのことですから。
でも、ぼくは工夫しました。道端でやるのはあまりにも寒いし、何より可能性が低い。ここは。。。訪問募金だ!
年末だからみんな家にいるに違いない。しかも、師走のこの時期にこんな哀れさっていうのは、それだけで付加価値だよね。
さっそくご近所へお邪魔。
「は~い」
「すみません、隣の富士荘のものですが」
「あ~、はいはい、学生さん?」
「はい」
「どうしたの」
「なんか食べ物もらえませんか?」
「え?」
「いや、おなかすいちゃって。」
「食べ物ないの?」
「はい」
「。。。ちょっと待っててね」
おばさんがぱたぱたと奥に去り、しばらくするとお歳暮って書いた箱。
「こんなんしかないけど、いいかね?」
「ありがとうございます!」
いや~簡単じゃん。と帰ってみてみるとそうめんでした。お~食べ物だぁ。早く食べたいので、そこで訪問募金終了。早速調理に。以下レシピ。
水
醤油
そうめん
。。。
以上。
ゴミ捨て場で拾ったユキヒラ鍋に水を張って醤油を入れて沸騰したそこにそうめんを一束。しばらくぐつぐつ。柔らかくなってもぐつぐつ。まだまだぐつぐつ。箸ですくえないくらいまでぐつぐつしたら完成!
※貧乏豆知識。お粥はひたすら伸ばすと同じ原理で、できるだけどろどろにした方が、おなかにたまるのです。そして、弱った胃にもやさしいのです。。。
箸ですくえないくらいのそうめんをなんとかすすって。つゆをすすったら鍋は洗いません。当然です。ちょっとこびりついたカスは明日の食事の際にそのまま使われるのです。
「腹減った。。。」
一束じゃおなかを刺激しただけだぁ。でも、ここで食べてはあっという間に食いつくしてしまう(この時点で視野狭窄、訪問募金をまたやるっていうのは頭をよぎらずなんとかこれで食いつなぐことしか考えられない)。そうやって、数日食いつないでいると大事件!
醤油切れた。。。調味料な~し。
まぁ、いいよ。どうせ味なんてね。量的には変わらないからね。
「味気ね~」
な~んの味もしません。やけっぱちです。2束食べちゃいました。
そして、更に数日後。。。切れましたよ。そうめんが。。。何日過ぎたかわからない。もう動く気力なし。これはもう誰かが訪問して発見してくれるのが先か、餓死するのが先か。。。勝負!
ということで寝てたら「コンコン」
「いるかぁ」
と入ってきたのは知り合いの職人さん。当時太鼓やっててその関係で職人さんとよく遊んでいました。職人さんはぼくがぐうたらで、貧乏なのを知っていたので訪問巡回してくれたのでした。
「何してんだよ」
「いや、なんも食ってなくて。。。」
「働けよ。。。お前。うちでアルバイトすりゃいいじゃん」
「肉体労働いやです。。。」
当時の僕は真っ白もやし君でしたからね。
「まぁいいや、飯食いに行こう」
「やったぁ。。。」
喜ぶ元気なし。。。
そして焼肉に連れて行ってもらいました。助かったぁ。
と思ったら。。。突然肉なんて食ったもんだから胃がびっくり!というかぼくびっくり!貧血起こしてしまいました。そして職人さんに付き添われ病院へ。。。先生から一言
「栄養失調だね」
「はぁ」
「君ね」
「はい」
「ここは日本だからね」
「はい。。。」
点滴されて帰ってきました。職人さんに胃にやさしそうな食糧たくさん買ってもらって。
いや~、死ぬかと思った!
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2週間50円なんて考えられない・・・。
学生の頃ってすごいですね~。
びっくりしました。
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ご近所さんも お知り合いもいい人ですね~。
これは一人暮らしの方はみんな
生存確認の必要ありですね~。
お醤油のんだら すぐにお腹こわしちゃうんじゃ・・・
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腸炎で3日くらい絶食したとき~
(痛くて食べれなかったの)
何にも力が入らなくてフラフラになりました。。。
3キロくらい痩せたしね~(笑)
てつさん、良く生きてたね~o(^-^)o
その人は病院代も払ってくれたの~?
なんて良い人かしら。。。
それにしても、
働く場所があったのに働かなかったってことだよね。。。( ̄_ ̄ i)おいおい!
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漫画みたいなお話ですね~
って前にもなんか言ったことある気が・・・(笑)
ぐうたら学生だったんですね( ´艸`)
今はとっても健康的なのに。
でもある意味サバイバルですね(笑)
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>AIさん
もうホントにぐうたらでしたね~。一日16時間寝てたし。。。
浪費ですね。。。
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>雪ん子さん
もういい人ばっかりでした。だからかな~。年に一ヶ月くらいしか働いていませんでしたね~。
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>あんずさん
ホント周囲の好意に頼り切って生きてましたね~。
醤油はホントやめた方がいいですよ~。
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絶対に精神的にうつになります…(笑)
もう2週間で50円って!!?めちゃくちゃツライですよね(-.-;)
よくがんばりましたよ!!
コメントありがとうございます(>_<)その後は図書館で苦戦しましたケド車に乗せたらスヤスヤ寝てて家に着いた時は今度は、はいはいやつかまり立ちで苦戦の毎日です(+_+)
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>しょぉこママさん
いや~ただだらだら、ぼ~っとした時間でしたから~。
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>kanaさん
ほんとのぐうたらだっただけなんです。。。でも今はもう出来ないな~。
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でも、てつさんならどんな悪い環境でもなんとかなっちゃいそうですね(^▽^;)
周りはバタバタ倒れてるのに、てつさんだけは生き残るみたいな・・・(笑)
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こんにちは。笑ったわー。
サバイバルのお話でもない気がしますし…(^m^)
何か食べ物を…でちゃんとそうめんゲットして、焼き肉にもありつけたてつさんのお人柄の良さが漂う物語でした。
どうにかなる星のもと、だったのよ)^o^(
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>Pocoさん
いやぁ。特に当時は「お前は真っ先に死ぬ」って言われてましたよ。常に飢えてましたし。。。
まぁ、働かないからだけなんですけど。
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>エミルークさん
そうなんです。単にグウタラなぼくが人の好意にすがって生き延びたって話ですよね。。。
たまに今でもひょっとして働かなくても一生生きていけるのではと魔が差すことが。。。